斉藤孝  カメのブログ

カメの個人的ブログです。私の趣味、ガーデニング、友人との交流

2021年総集編 カメの庭

      2021年      総集編
                                                                   斉藤 孝

 まず、2022年の年頭の御挨拶を述べます。あらためて謹賀新年おめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます。
80歳になり気力と体力はさすがに衰えましたが、残る人生をどん欲に楽しむつもりです。
2022nentoTop.jpg

最初の写真は鵠沼海岸ら眺めた相模湾の彼方、伊豆半島天城山に沈む燃える夕日。
下の写真(左)は地獄谷の温泉猿、写真(右)はニュージーランド・クック山(2020年)の遊覧飛行。

2021年を1月~12月まで月別に振り返ってみました。一年前の新年を迎えてもコロナ禍は衰える兆しはありませんでした。
海外旅行を楽しんでいた2020年2月までは夢のような別世界でした。


1月   「Don't cry for me Japanese」
 Don’t cry for me Japanese
   The hope is I never left you
   All through my wild days, my mad existence

   泣かないで 日本のみなさま
   希望はいつもあなたのそばに居ます
   嵐のような日々、コロナ禍の中でも
01Mon.jpg
これは替歌の一節で本物は以下の文句です。
         Don’t cry for me Argentina
         The truth is I never left you
         All through my wild days, my mad existence
        泣かないで アルゼンチン
        私はいつもあなたのそばに居ます
        嵐のような日々、逆境の中でも

2020年3月はアルゼンチンのパタゴニアに行きました。パタゴニアは乾燥が激しく砂漠が広がっていますがアンデス側には多くの氷河があります。


2月   「想い出を飾る」  

2020年2月はブラジル側でイグアス滝を眺めていました。
亜熱帯ジャングルを流れる世界最大の瀑布。
ナイアガラ滝よりも野性的しかも雄大で美しい。
大量の水が流れ落ち、水がまるで雲のように舞い上がり七色の虹も現れます。

02Mon.jpg


3月  「ラベンダーの輝き」  

我が心、ラベンダー畑にあり。
一面に咲き誇るラベンダーの丘。
心をさわやかに癒してくれる。
ラベンダーの花言葉は「清潔」である。
ラベンダーの小さな庭を作った。

03Mon.jpg
  Splendor in the Lavenders
   「ラベンダーの輝き」




4月   『グリーンスリーブス』 

訪れた春の日
花々が咲き乱れる。
若草は淡い緑から深い緑に変わる。
美しい花の「緑の袖」のようだ。

04Mon.jpg
  「緑の袖」  
『グリーンスリーブス』
Greensleeves was all my joy
Greensleeves was my delight,
Greensleeves was my heart of gold,

グリーンスリーブスはカメの喜び。
グリーンスリーブスはカメの楽しみ。
グリーンスリーブスはカメの魂。


 

5月  『薔薇狂騒曲』  

コロナ禍で皆様をお招きすることができない。
「オンライン・オープンガーデン」で小さな薔薇園。

05Mon.jpg


『葡萄酒と薔薇の日々』
薔薇は頭を冷やし
悪酔いを防ぐという。
妖艶な香りに酔いしれる。
薔薇美女に言い寄る。

名残の薔薇。
一人寂しく咲いている。
仲間たちはみな枯れ果てた。
誰が一人で生きられようか。
近しき薔薇は消え失せた。
ため息をつくばかり。
妖艶な香りを醸しだす。
女性の一生を見ているようだ。





6月 「マンションの小さな葡萄園」  

6月初夏の陽ざしの下、葡萄棚一面に小さな葉を付け、つるを伸ばし続ける。
葡萄は暑さ寒さ、乾燥にも強い。成長を観察すると身も心も癒される。
 「マンションの小さなワイナリー」の誕生。
06Mon.jpg




アルスロンガ農園でお仲間とワイン用葡萄を育てた経験がある。
その記録は『怒りの葡萄』(2020年10月)と題する動画。




7月   民謡『ゴラール』 想い出を飾る 

ゴラールとは、『Góralu』と綴るスロヴァキアのタトラ山脈地方の素朴な望郷の謡です。英語では『Highlander』、山の民を意味します。

Góralu czy ci nie żal
Góralu, czy ci nie żal
Odchodzić od stron ojczystych,
Świerkowych lasów i hal            
I tych potoków srebrzystych?

08Mon.jpg

2001年~2004年までスロヴァキアを中心にチェコとオーストリアを調査旅行しました。20年前の懐かしい想い出です。アルバムを整理しながら『Góralu』を独唱しました。親切で素朴な人々の顔を思い浮かべながら みんな、どうしているだろうか・・。
   



8月  「インパチェンスのパティオ」  

マンションの小さな庭にインパチェンスのパティオを造ろう !!
パティオと言えばスペイン・アンダルシアの真っ白な壁、
そこに飾られた真っ赤なゼラニュームなどが有名だ。
07Mon.jpg

緑のジュータンの椅子でうつらうつらして寝言をつぶやく。

「なんとかなるさ」  アスタ マニャーナ  
   Hasta mañana  



「パティオの想いで」と題する短編(2020年7月制作)
50数年も暮らした懐かしい片瀬山のパティオ。




9月 「カイバー峠」アフガニスタンの崩壊  

  2021年のカブール陥落
2021年8月末にアメリカ軍は完全撤退した。まるでサイゴンの陥落のような惨めな脱出劇だった。歴史を振り返ると、1989年にソビエット軍は完全撤退している。さらに1919年にはイギリス軍も完全撤退している。

09Mon.jpg

 ジハードの勝利
これをタリバンは「ジハード」(聖戦)による勝利と称している。アフガニスタン人の不屈の独立心は粘り強い。タリバンがどの様に政権を維持していくのか、女性の地位や人権問題などで非常に危惧されるが、それはアフガン人自身で解決する歴史的問題といえるだろう。ただ哀れな難民だけは世界中で速やかに優しく受け入れていこう。

 「ジルガイ」を懐かしく思い出す。
アフガニスタン女性留学生で1968年にインディアナ大学で共に学んだ栄子の親友である。彼女の父親はアフガニスタン王国時代 (国王ザヒル・シャー)の将軍だった。彼女はパシュトゥン人なので西欧風。美人でしかも日本人のように優しい。裕福な家庭で育ったから愛馬の話になると目を輝かせ夢中になった。幸いにして「ジルガイ」とその一族は1990年にアメリカに避難し、現在はロスアンゼルスに住んでいる。「ジルガイ」が料理するアフガン風ピラフは大変美味しい。

 ガンダーラは仏教徒の平和郷
サクラメントには多くのイラン人も住んでいるが、彼らはパーレビ国王時代のペルシャ難民の子孫である。狂信的なシーア派の現在のイラン人とは異なる。全米にはシリア出身の人々も活躍している。多くはキリスト教徒(マロン派)やアラウィ教徒もいる。彼らは「ジハード」とは無縁で平和な民なのだ。
イスラム以前のアフガニスタンはガンダーラの中心地として栄えた仏教徒の平和郷だった。

10月   霊獣「白狐(びゃっこ)」  

 霊獣「白狐(びゃっこ)」とは  
これは稲荷神社に鎮座される「お狐さま」の正式な名称。
五穀豊穣の神は稲荷神社に祀られ、神の使者を「白狐(びゃっこ)」と呼ぶ。いわゆる霊獣のことだ。霊的存在への信仰だろう。
10Mon.jpg

 「お稲荷さま」とは
稲とは「命の根」を意味する。その稲が生る「いなり」。
稲に関する神だから「お稲荷さま」と名づけられた。
大陸伝来ではなく純日本産の信仰といえる。
日本的アニミズムなのだろう。



 「白狐(びゃっこ)」は「お稲荷さま」のお使いである。
恐ろし気な面構えの「お狐さま」は実は妙齢な巫女なのかも知れない。
五穀豊穣を祝う踊りを舞う姿。神事を司るうら若き女性を妄想した。
巫女達と共に歌いながら修復仕事を進めることにした。


11月   隠れ宿「財産目当ての森」 

月日は百代にわたって旅を続けて行くものであり、
来ては去り去っては来る年々も、また同じように旅人である。
       芭蕉『 おくのほそ道 』

 隠れ宿『果実の森』
本格的なオーベルジュ( Auberge)である。そこの源泉かけ流し檜風呂は疲れた身体を癒す、やわらかいお湯であった。全客室に檜内風呂が完備されていて部屋も綺麗で大きい。料理はフレンチ海鮮といえる。豪華な高級感たっぷりの時間を楽しめた。
11Mon.jpg

 作並のオーベルジュ澤井亭
隠れ宿「財産目当て作並の森」という別名もある。
オーベルジュとして隠れ宿『果実の森』と競うような名前である。
そこは友人の名誉教授夫妻が経営されている会員制別荘なのだ。
お二人の出会いは「財産目当て」の縁で熱く結ばれた。


12月   「冥途新幹線」  

 5日間で日本を一周
小さい島国の日本でも少し無理であるが、新幹線を利用して一周。
ある旅行会社のツアーに参加することで実現できた。
走行距離5126.9km。鉄道総時間32時間50分。
新幹線と呼ぶ広軌レール鉄道は日本独自のもの。
レールの幅が狭軌(1067mm)に比べて広軌(1435mm)は広い。
欧米や中国・朝鮮などは広軌レール幅が標準である。
狭い盆栽のような日本に狭軌レールで十分だった。
12Mon.jpg
   砂蒸し風呂     「やは肌のあつき血汐」
あふれ出る温泉が温めた砂。熱砂の中で生首だけを出し、全身に砂を盛られて土葬姿になった。少し重く感じるが体中に砂の温かさが染み渡り心地よく眠くなってきた。その昔、『みだれ髪』の与謝野晶子も楽しんだそうである。
早朝から砂蒸し温泉で、歌人の詩をつぶやいた。

「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」

2日前は雪の北海道・洞爺湖で湯浴みを楽しんでいたのだが、ここでは椰子と蘇鉄が繁る、温暖な鹿児島・指宿温泉で砂蒸しされている。小さな日本であるが、地形と気候は面白いくらい変化する。 
  
  冥途への土産   「Cool Japan」
まず北海道・函館まで北海道新幹線で函館北斗まで行き、在来線を乗り継ぎ洞爺湖の温泉に宿泊。本州に戻り盛岡から秋田新幹線であつみ温泉泊。新潟から上越新幹線・高崎乗り換えで北陸新幹線で福井県のあわら温泉に到着。そして山陽新幹線と九州新幹線で鹿児島から指宿温泉に泊まる。あっという間に5日は終わり、トンネルばかりを楽しんだ鉄道の旅だった。老夫婦9組限定、介護ホームの団体のような雰囲気。豪華なオーベルジュでおもてなしを頂戴した。
まさに冥途への土産、「冥途新幹線」と納得できた。

   カメの庭  Home Page へ戻る



スポンサーサイト