斉藤孝  カメのブログ

カメの個人的ブログです。私の趣味、ガーデニング、友人との交流

ルネッサンスは裸婦の時代

薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな肢体

   "Youth is not a time of life; it is a state of mind"

これはサミュエル・ウルマン(Samuel Ullman)の「青春の詩」の一節です。マッカーサー元帥愛誦の詩としても有名。確かに後期高齢者にとり励みになる内容です。

青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を言う。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな肢体ではなく、
たくましい意志、ゆたかな想像力、炎える情熱をさす。


しなやかな肢体  困ったのは「薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな肢体ではなく」という部分に違和感が残っていることです。3月にフィレンツェのウフィツィ美術館に早朝一番に入館して、大好きなボッティチェリの 『プリマヴェーラ』を夫婦で独り占めできました。

ボッティチェリの『プリマヴェーラ』

テーマは「愛」。 中央に、位置を高くして君臨しているのは、愛の女神ヴィーナスですね。 『ヴィーナスの誕生』のヴィーナスと比べると、衣装を身に着け、慎み深い姿です。素敵なのは、透けるような白色のドレスを着用した妖艶な女性が描かれていることです。半透明のドレスをまとい踊る三人の女性は、左は「愛欲」、中央は「純潔」、右が「愛」の女神だそうです。しなやかな肢体の三人の女神に「ゆたかな想像力、炎える情熱」を感じます。75歳になり変態後期高齢者の仲間入りをしました。


ボッティチェリの 『ヴィーナスの誕生』

裸婦の絵画
ルネッサンスは暗黒の狂信的キリスト教から文化・芸術を解放し、ヘレニズムとローマ時代の美を復活させました。女性の姿も裸のヴィーナスとして堂々と描かれるという男性にとって天国のような時代となりました。裸婦やヌードの姿は誰もが認める普遍的な美の題材だったのですね。そのような裸婦の絵画をみることは私も大好きなのですが、若いころは長く立ち止まることに躊躇しました。純情だったのです。時代もエロ・グロ・ナンセンスも控えめでした。ポルノ・サイトなど皆無でした。


後期高齢者の老人になりやっと堂々と立ち止まる勇気がでるようになりました。スペインのゴヤの『裸のマヤ』などの記念切手を今でも大切に持っています。それにしてもルノワールの裸婦の後姿は悩ましい。


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