シャンパン嫌いのシャンパーニュ
2019年11月
シャンパーニュ・ブルゴーニュのワイン紀行
サイダーみたいな泡
お酒なんでも大好きなカメ(私の愛称)。しかしシャンパンだけは心底楽しめません。サイダーみたいな泡がワインらしくない。貧乏人の大酒飲みなのでシャンパン本来の味など分かっちゃいない。日本酒の中で香りが強い吟醸酒も旨く飲めませんね。77歳になってもお酒に好き嫌いの偏見があったことを今頃になり深く反省。これからはどんな酒にも博愛主義でいきます。
2019年11月12日雪もちらつく晩秋、シャンパンの本場、シャンパーニュ(Champagne)を訪れました。
郊外には一面のブドウ畑が広がっており、Champagneという地名の語源は「平原」を意味するラテン語のカンパニアに由来していることを納得。修道士ドン・ペリニヨン
シャンパンを五感できない哀れなカメ。悔しいので少し勉強しました。シャンパンは苦肉の策で誕生しました。光輝く温暖なプロバンスやボルドーに比べてシャンパーニュは葡萄栽培に適さないフランスの中でも最北のワイン生産地。パリから北東約140kmの位置にあり平坦地であることから、戦場になることが多い土地でした。1680年頃に修道士ドン・ペリニヨンが泡を瓶に閉じ込める製法を確立させました。彼の名は「ドン・ぺリシャンパン」として残り、夜の銀座高級クラブでも超有名です。
シャンパンの主要品種はシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエの三つ。特にシャルドネのみで造られたシャンパンを「ブラン・ド・ブラン」と、黒ブドウであるピノ・ノワールやムニエで造られたシャンパンを「ブラン・ド・ノワール」と呼ぶそうです。
歴史的偉業は、シャンパンを熟成させるために地下に掘られた石灰岩のカーヴを人々が守り、その名声を守るため、A.O.C.法が制定されたこと。その結果2015年に「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」としてユネスコの世界遺産に登録されました。

ボーヌの「栄光の3日間」
ブルゴーニュ(Bourgogne)の中心にある都市、ボーヌ(Beaune)で11月16日から三日間開催されるワインの祭典「栄光の3日間」を見てきました。ボーヌには鮮やかなモザイク状の瓦屋根の『オテル・デュー(施療院)』やワイン博物館がありました。このあたりコート・ドゥ・ボーヌはコート・ドゥ・ニュイとともに黄金の丘(Cote d'Or)と呼ばれ、フランスでも指折りのワイン生産地です。大好きなピノ・ノワール(Pinot Noir)は、赤ワイン用ブドウ品種でブルゴーニュを原産地とします。ロマネ・コンティ
これも銀座高級クラブの定番ワインですね。ブルゴーニュ北部コート・ドールではピノ・ノワール(Pinot Noir)の単一品種ワインが数多く造られています。そのうちコート・デュ・ニュイ地区ロマネ村のロマネ・コンティはこの種を原料とした世界最高品質のワインとされます。残念ながらカメは飲んだことがありません。
ブルゴーニュではタンクにそのままピノ・ノワールを入れていき、その重さで果汁を絞り出す方法が採られています。取り出された果汁は再び上からタンクに戻され、発酵の度合いを見ながら少しずつ果実を潰してさらなる発酵を促していきます。非常に手がかかるが、ピノ・ノワールの持ち味を最大限に引き出せる醸し方だそうです。
これも銀座高級クラブの定番ワインですね。ブルゴーニュ北部コート・ドールではピノ・ノワール(Pinot Noir)の単一品種ワインが数多く造られています。そのうちコート・デュ・ニュイ地区ロマネ村のロマネ・コンティはこの種を原料とした世界最高品質のワインとされます。残念ながらカメは飲んだことがありません。
ブルゴーニュではタンクにそのままピノ・ノワールを入れていき、その重さで果汁を絞り出す方法が採られています。取り出された果汁は再び上からタンクに戻され、発酵の度合いを見ながら少しずつ果実を潰してさらなる発酵を促していきます。非常に手がかかるが、ピノ・ノワールの持ち味を最大限に引き出せる醸し方だそうです。
ワイン通の言葉
ここで知ったかぶりで生意気なワイン通の感想。
「優雅な芳香と優しくシルキーで溶けるような舌触りは洗練された気品を醸し出す。皮の色が薄いため、ワインの色はルビーレッドと言われるように薄め。タンニンは控えめで柔らかいが確かな酸味がある。若いうちはサクランボやイチゴ、ラズベリーのような赤い果実のフレッシュな芳香から、熟成にしたがってスパイシーな森の下草やなめし革といった複雑な香りになる。」
ブルゴーニュ赤ピノ・ノワールをこのような五感で飲みたいものです。このワイン通は語彙力不足で、教科書どおりに述べたにすぎませんね。

ランスの大聖堂
歴代のフランス王はランス(REIMS)のノートルダム大聖堂で戴冠式を行うことで正式な国王と認められました。15世紀にジャンヌ・ダルクがシャルル7世を戴冠式に導いたことでも有名。
ところでランス(REIMS)のスペルREIMSをどう読むのか。何故、REIMSがランスなのか。英語国の人達はリムスと読むらしい。現地でその疑問は解けました。ローマ支配以前のガリアでは、この地にはガリア人のレミ族(Remi、仏語:Rèmes)の中心的城市であるドゥロコルトルム(Durocortorum)があった。ランス(Reims)は、レミ族(複数形Remis)の名が訛ったものと考えられています。 ランスには数多くの有名なシャンパン・メゾンが拠点を置いていて、町中の地下には、総延長120キロに及ぶワイン・カーヴが縦横に張り巡らされています。
ここで晩秋のシャンパーニュでシャンソンの名曲、『枯葉』(イヴ・モンタン)を聴いてみましょう。YouTubeから引用しました。
アルデンヌの戦い
学術的には有名なランス大学シャンパーニュ・アルデンヌがあります。このアルデンヌから有名な第二次大戦の激戦、「アルデンヌの戦い」を思い出しましたが、それはベルギーにあるアルデンヌのこと。映画「バルジの戦い」としても有名で、ノルマンディー上陸作戦で連勝続く連合軍がドイツ軍に敗北した戦場です。
フジタ礼拝堂
日本出身の画家、藤田嗣治が眠るフジタ礼拝堂を見学しました。室内にはキリストの生涯を描くフレスコ絵画がありましたが、まるで漫画のような技法。ローマ法王庁から怒られたに違いない。
日本出身の画家、藤田嗣治が眠るフジタ礼拝堂を見学しました。室内にはキリストの生涯を描くフレスコ絵画がありましたが、まるで漫画のような技法。ローマ法王庁から怒られたに違いない。
ロンシャン礼拝堂
近代建築の巨匠ル・コルビュジエ(Le Corbusier)が1955年に設計したカニの甲羅を形どったとされる独特な形態の礼拝堂です。彼は上野の国立西洋美術館の基本設計にも参加していました。こんな山奥に超モダンな礼拝堂が必要なのか疑問。鉄筋コンクリートの自由な造形を示していますからローマ法王庁に諫められたと思います。
ボジョレー・ヌーボー
日本でも11月末にボジョレー・ヌーボーの解禁をバカ騒ぎします。これはブルゴーニュ東部のボジョレー地区で栽培さたガメイ(gamay)種で造られる赤ワインです。ボジョレー地区の痩せた酸性の花崗岩質土壌が、フルーティでフレッシュなワインを生み出すという。大粒で果汁が白いためワインの色調は明るい。ライトボディでタンニンはやや乏しいが酸味が豊かである。女性好みの味。
日本でも11月末にボジョレー・ヌーボーの解禁をバカ騒ぎします。これはブルゴーニュ東部のボジョレー地区で栽培さたガメイ(gamay)種で造られる赤ワインです。ボジョレー地区の痩せた酸性の花崗岩質土壌が、フルーティでフレッシュなワインを生み出すという。大粒で果汁が白いためワインの色調は明るい。ライトボディでタンニンはやや乏しいが酸味が豊かである。女性好みの味。
シャブリ(Chablis)
「シャブリ」は地区の名前で、シャブリ地区で作られたワインが「シャブリ」です。今回は残念ながらシャブリ地区に行けませんでした。シャブリ地区はブルゴーニュ地方ですが、ボーヌから北西に100km以上も離れた飛び地にあります。
「シャブリ」は地区の名前で、シャブリ地区で作られたワインが「シャブリ」です。今回は残念ながらシャブリ地区に行けませんでした。シャブリ地区はブルゴーニュ地方ですが、ボーヌから北西に100km以上も離れた飛び地にあります。
品種はシャルドネです。シャブリ地区はその昔、海だったといわれており、今でも土壌から牡蠣などの貝殻が掘り出されます。この石灰質の土壌はミネラルが豊富で、ワインにもミネラルの風味をもたらします。さらに冷涼な気候は自然な酸をワインに与えます。引き締まった酸味と、海を感じさせるミネラル感は、確かに海だったのですね。
シャブリは畑違いで様々な種類があります。4つの格付けがなされていてカメが飲んでいるのは単に「Chablis」と呼ぶ格安品です。参考までに調べると、特級「Chablis Grands Crus」、1級「Chablis Premieres Crus」、3級「Chablis」、その他「Petit Chablis」となります。今回、「Chablis Premieres Crus」をグラスで飲んでみました。1級畑の葡萄で作られるシャブリです。スッキリした飲み口であり果実味が豊かでコクのある味わいでした。
ディジョン(Dijon)
エスカルゴやマスタードといったブルゴーニュならではのグルメ。マスタードといえばディジョンマスタード、ディジョンといえばディジョンマスタードが有名。原料は、アブラナ科のカラシ菜の種でこれに白ワインビネガーや白ワインと合わせて作られます。日本のおでん料理にも合いそうです。
エスカルゴやマスタードといったブルゴーニュならではのグルメ。マスタードといえばディジョンマスタード、ディジョンといえばディジョンマスタードが有名。原料は、アブラナ科のカラシ菜の種でこれに白ワインビネガーや白ワインと合わせて作られます。日本のおでん料理にも合いそうです。
ブロッケン現象 ?
今回はエールフランス航空パリ直行便を利用する贅沢な旅でした。パリまで12時間で行けました。60数年前の東京から大阪までの夜行列車と同じ時間ですね。三等普通列車の固い椅子が懐かしい。
帰りは久々に窓側席にいました。シベリア上空を過ぎ日本海を渡るとそこは日本。雲海に浮かぶように真っ白な富士山の頂きがよく見えました。
珍しい光景に興奮しました。乗っているエールフランス機の影が雲海に見事に写っていたのです。まるで高山で遭遇するブロッケン現象のようでした。
2019年9月6日の誕生日で77歳になり喜寿を迎えたのに海外旅行が大好きで、いつまでたっても落ち着きません。老体に鞭打つように重いリュックを背に経済級(エコノミークラス)で質素な機内食と数杯の安ワインに満足しています。長々と駄文を綴りました。 カメ
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