カメの絵画と音楽の旅
パンデミックとインフォデミック(情報感染症)
2020年4月 斉藤 孝
"Youth is not a time of life;
it is a state of mind"
これはサミュエル・ウルマン(Samuel Ullman)の「青春の詩」の一節。確かに後期高齢者にとり励みになる内容です。
青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を言う。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな肢体ではなく、
たくましい意志、ゆたかな想像力、炎える情熱をさす。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな肢体ではなく、
たくましい意志、ゆたかな想像力、炎える情熱をさす。

『プリマヴェーラ』フィレンツェのウッフィツィ美術館
2018年3月にフィレンツェのウッフィツィ美術館に早朝一番に入館して、大好きなボッティチェリの『プリマヴェーラ』を夫婦で独り占めできました。テーマは「愛」。中央に、位置を高くして君臨しているのは、愛の女神ヴィーナス。
『ヴィーナスの誕生』のヴィーナスと比べると、衣装を身に着け、慎み深い姿です。素敵なのは、透けるような白色のドレスを着用した妖艶な女性が描かれている。半透明のドレスをまとい踊る三人の女性は、左は「愛欲」、中央は「純潔」、右が「愛」の女神だそうです。 しなやかな肢体の三人の女神に「ゆたかな想像力、炎える情熱」を感じました。

『ヴィーナスの誕生』 ボッティチェリ
西風の神ゼフュロスと、大地の女神クロリスが風を吹き出してヴィーナスの移動を助けています。
フィレンツェのトランプ
15世紀のフィレンツェは100年前のペスト汚染による甚大な被害も忘れメディチ家による強権的都市国家の繁栄の時代でした。メディチ家は貴族でも王族でもない怪しげなビジネスマンでした。米国トランプ大統領に似た不動産投資や高利貸しで財を築き上げた人物。そしてメディチ家は代々美術絵画など芸術家のパトロンになりました。ボッティチェリもメディチ家の庇護の下で人気を得ていました。
ボッティチェリのマリア フィレンツェのウッフィツィ美術館
『東方三博士の礼拝 』
ボッティチェリは有名な『東方三博士の礼拝 』を描いています。イエスの降誕を告げる新星を発見した東方の三人の王がベツレヘムでイエスを礼拝しています。大富豪メディチ家の人物や当時の知識人などの顔も見えます。右端に立っているのはボッティチェリ本人だそうです。
『東方三博士の礼拝 』ボッティチェリ フィレンツェのウッフィツィ美術館
海外旅行は全て中止
このブログを書いている2020年3月26日は新型コロナウィルス汚染が世界中に広まっています。私たち老夫婦は3月にローマ観光を計画していました。さらに5月末はコペンハーゲンからスエーデンのストックフォルムまで列車で行き、オスロを経てノルウェーでフィヨルドを見るという詳細な観光を予定していました。全てキャンセルしました。海外旅行もおそらく一年くらいは危険な状態が続くようで落胆しています。観光産業の被害は甚大。2020年の東京オリンピックは延期になったり、暗いニュースばかり続きます。

『ウルビーノのヴィーナス』フィレンツェ ウッフィツィ美術館
1538年 ティツィアーノの代表作。
70歳以上の新型コロナ感染者は死んでもらう。
これがイタリアの医療関係者の本音なのでしょうか。医療崩壊が進み、まるでベスビオス火山の溶岩に埋もれる恐怖に脅えるポンペイ最後の日のよう。イタリアは世界一死者が多い国になるようです。私の大好きなイタリアを心底案じています。ローマやフローレンス、ラベンナとボローニア、パドバやベネチアにもう行くことができない。しっかり頑張って生き抜いて下さい。

『ローマ人のバカ騒ぎ』 パリ オルセー美術館
OvershootとLockdown
新型コロナウィルス感染者の発見をまるで中世の魔女狩りのように日夜報じています。朝からテレビで感染爆発の重大局面(Overshoot)を叫んでいます。Overshootという用語は医学辞書にも載っていません。小池都知事は都市封鎖(Lockdown)を要請したいと叫んでいます。Lockdownという用語は、セキュリティ強化のためにソフトの機能を制限するというIT用語なのでなんとなく理解できます。もともと両方とも怪しげな英語なので意味は曖昧ですから無暗に使うべきでないと思います。世界のメディアは言葉だけで過激に人々を煽り立ています。

『真珠の耳飾りの少女』フェルメール 1665年 オランダ マウリッツハイス美術館
無名の絵画を楽しむ(YouTube映像)
暗いニュースで気落ちしている所で心休まる絵画と音楽を鑑賞しましょう。出典はYouTubeの投稿作品です。最初のものは名画ではなく、無名の画家によるもので主にスエーデンやデンマークなど北欧諸国の作品です。出典はスペイン語で解説されていました。著作権もある素敵な映像を借用しました。感謝します。
音楽は、モーツァルト、ベートーヴェン、バッハ、ショパン、シュトラウス、チャイコフスキーの名曲ばかりで、音質も素晴らしい。
出典 YouTube (https://youtu.be/cKkDMiGUbUw)
次は、その続編ともいえるものでオーストリアや南ドイツ、そしてスイスアルプスも描いています。チロリアン民族衣装を身に着けた作品が多いようです。このYouTube投稿者も先のものと同じ人物です。
ヨハン・パッヘルベルの作品『カノン』
最初の名曲は、ヨハン・パッヘルベルの作品『カノン』です。ヨハン・パッヘルベル(1653年~1706年)はバロック時代に活躍したドイツのオルガン奏者。バッハやヘンデルと同時代の人でバッハに影響を与えました。カノン(Canon)とは奏でる曲を模倣しながら追っかけて進む様式。もともとカノンの意味はキリスト教では聖書や教会規則のことです。日本のカメラ会社の名前「Canon」は実に素晴らしい命名ですね。
カノンに続く名曲は、軽快なシュトラウスのワルツです。
パンデミック
これは感染症の世界的流行をいう。こんな言葉は知りませんでした。Pandemicと書き「Pan」が付いていますからラテン語の「汎」に当たります。PanAmericaのように使われていました。語源にこだわればギリシア語のPandemia(ラテン文字表記)となります。14世紀のペストや19世紀のコレラ、さらに20世紀のインフルエンザはパンデミックになります。スペイン・インフルエンザは一億人の死者をだしたそう。国名まで付けられたスペインは大変迷惑なことになりました。「武漢病毒」や「中国コロナ肺炎」と呼ばれたくない習近平主席の焦りにも同情します。一党独裁で頑強な中国共産党政権も揺さぶられています。
『洗礼者聖ヨハネの斬首』 17世紀 カラヴァッジョ マルタ共和国美術館
ミケランジェロ・カラヴァッジョ(1571年 - 1610年)はルネサンス期の後に登場。ローマ、ナポリ、マルタ、シチリアで活動し人間の姿を写実的に描きました。
彼の素行はかなり悪名高く、喧嘩に明け暮れる生活でした。ローマ法王から死刑宣告を受けたりマルタ島で逮捕されたりしましたがこの作品はマルタ騎士団長の要求により描いたそうです。カラヴァッジョの波乱万丈の生涯を描いたイタリア映画は面白かった。名作がマルタ島に残っていたことに驚きました。
『バベルの塔』 ブリューゲル アブダビ・ルーブル美術館
GAFAはバベルの塔
GAFAに代表されるITネット世界は「バベルの塔」のようです。バベルの塔の例え話はあまりにも有名。この地球に暮らす人々は、同じ言葉を話すひとつの民族でした。東方に移動しながら生活し、シュメールという土地にたどり着きます。シュメールはメソポタミアで現在のイラク。そこで人々は、石の代わりにレンガや漆喰の代わりにアスファルトを用いて人工的な創造物を作りました。レンガとアスファルトは自然物ではなく人の知恵の産物。しかもその産物の構想が奇想天外。天に届くほどの高い塔を作るということです。人類はこんな技術を考えたことで傲慢になった。まるでGAFAに似ています。神の戒めが始まりました。人々が同じ言葉を使うからいけない。人々が使う言葉を異なったものにし、お互いにコミュニケーションできなくしました。その言葉を様々な異なるものにされた天罰を人間の知恵で無視。インターネットは共通の言葉になってしまった。GAFAはバベルの塔なのか。
武漢病毒
米国ポンペイオ国務長官はG7テレビ会議で「武漢コロナ」と命名すべきと主張したところ各国は猛反対しました。それは中国語で「武漢病毒」と表記されるので強烈な文字列ですね。ところがトランプ大統領の美国の感染者数は中国を超して世界一となりました。中米逆転の順位なので習近平指導部は大喜びしています。イタリアやスペインの対応の悪さをせせら笑ったトランプ大統領の面子はガタ落ちです。この単細胞大統領では病毒汚染のアメリカを救えません。美国経済の損失は甚大です。これまで一党独裁による強権で病毒汚染を隠してきた習近平も悪い。

『夜警』レンブラント アムステルダムの国立美術館
チューリップ投機
16世紀のネーデルランド地方(オランダ)は東インド会社によるジャワ諸島の経営、そして極東のジャパング(日本長崎)までに進出して繁栄していました。国王よりも裕福な市民階級が政治を運営。彼らの衣装は喪服みたいな黒です。レンブラントは彼らのお抱え絵師。いまでいう人物写真の撮影家だった。ブルジアジーと呼ばれる彼らが人体の解剖を試みている。投機も盛んでトルコの球根花、チューリップを投機対象にしました。重商主義の誕生。
解剖の実習 レンブラント まるで写真のようです。 左のバイオリンを弾く女は珍しい。
「パンデミック」は世界の民衆の心を一つにしました。政治紛争、国際紛争、宗教紛争、経済紛争などに比べると病魔という見えざる人類共有の敵はものすごい恐怖です。世界中の医療従事者を応援しましょう。人類よコロナに負けるな。
レンブランドの自画像 田舎爺さんの面構えです

『キリスト降架』ルーベンス 三連祭壇画 アントワープ
児童文学『フランダースの犬』は19世紀に出版されたネロと愛犬パトラッシュの物語。ネロはアントワープの聖母大聖堂のこの祭壇画を見ること叶わず死んでしまう。日本人好みのお話。
黒死病の再来
テレビを見ても大きなマスクで顔を隠す女性ばかりでつまらない。鼻の高いイスパニアのセニョリータ美人も無残なマスク姿です。それにしてもイタリアの感染者数と死亡率はものすごく悲惨な数字です。黒死病(ペスト)を彷彿させる状況です。接吻と抱擁を日常の挨拶行為とするような濃厚接触も原因なのでしょうか。陽気でのんきなイタリア人が気の毒です。病院の廊下に横たわる患者にはベットも提供されていない。医療崩壊そして多くの棺桶が薄暗い体育館に並んでいました。
(左)アレクサンドル・カバネルの『ヴィーナスの誕生』1863年 オルセー美術館
(右)アドルフ・ブグローの『ヴィーナスの誕生』1879年 オルセー美術館
15世紀ルネッサンス時代のボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』はフィレンツェのウッフィツィ美術館にあり、その前で私は堂々と写真を撮りました。オルセー美術館のブグローの『ヴィーナスの誕生』はあまりにも官能的な裸婦像なので私は長時間立ち止まれませんでした。凝視していると変態老人と勘違いされる。19世紀になると耽美的なブグローの画風は当時の人々の好みに合ったのですね。ブグローのヴィーナスはイルカに貝殻を引っ張らせています。そして多くの天使(キューピッド)を描いています。
ウィリアム・ブグローは、19世紀のフランスのアカデミズム絵画を代表するフランス画家です。このアカデミーとは美術学校のことで、17世紀の太陽王ルイ14世治時代に創設されました。アカデミー会員が描く題材は歴史画や神話画が中心であり、肖像画、静物画などは好まれなかったそうです。ブグローの『夜』『ブシューケーの誘惑』『ニュンペーたち』などの名作を鑑賞しましょう。
出典 YouTube(https://youtu.be/PXQUmZKJ0H8)
ミラノ・ファッション
イタリアが何故こんな無残な状態になったのか。一説には北イタリアにある中国人村のお針子さん達が旧正月に大陸に戻った時、感染して戻ってきたせいではないかと言われています。約40万人もの中国人がイタリアで生計を営んでいます。ミラノ・ファッションなどアパレル製品をメイドインイタリアにするためです。中国に外注させるとメイドインチャイナになるのです。怪しからん姑息な理由。

胸を触る男 誰の作品なのか不明
東京オリンピックは延期
2020年東京オリンピックは延期になりました。オリンピックの目的はスポーツを通じての世界連帯です。ただ事実は金持ち国家のスポーツ競争になり商業主義的で本来の目的である世界連帯など眼中にありません。古代オリンピック精神を忘れてしまった。

眼つきが鋭い美女 アブダビ・ルーブル
真の世界連帯ができた。
あの強気のトランプ大統領も米国の悲惨な状況に驚愕。習近平主席も大きな顔に大きなマスクを付けて弱り切った真顔を隠しています。
それに比べると安倍首相はマスクなど一切付けず堂々と答弁しています。もっと素敵に見えてきたのは小池都知事の危機管理施策を答弁する姿ですね。
『牛乳を注ぐ女』 フェルメール
人類共通の敵に対峙
感染症と人類との関係は一万年前からだそうです。人間が野生動物を家畜としたことに始る。ウシからは天然痘、アヒルからインフルエンザなど野生動物のウィルスが人間に持ち込まれた。そして人から人へとウィルスは感染し天然痘やペストになる。
新型コロナウィルスによって世界中が歴史上はじめて人類共通の敵に対峙しています。オリンピックのような人為的なイベントよりも感染症という病魔によって真の世界連帯が実現しました。
『横笛を吹く少年』マネ オルセー美術館
歴史的変革を推進
14世紀のペスト汚染に似た恐怖を人類に与えています。有頂天になっていた人類に対する戒めですね。ペストは西欧に限定されたものでしたが、ドイツの人口は半減。感染爆発の結果です。ペストの影響は歴史的大変革を誘発したのです。農奴人口の半減によって人材の奪い合いにどう対応すべきか。人材確保のためには賃金を払う必要がある。それが貨幣経済の誕生となりました。ペストという死に至る病は神に祈るだけでは救済されなかった。カトリック教会に対する不信感となり宗教改革へと発展しました。生活における衛生意識も変わりました。下水を整備して町を清潔にするようになりました。ペストは西欧世界の姿を大変革しました。
カメはフローレンスの小美術館で世界を深刻に憂慮しています。それにしても裸婦が多い。
優雅な日傘をさす女性
コロナ・パンデミックの私の苦言は止めて、名作絵画の話に熱中しましょう。まず、クロード・モネ。印象派を代表するフランスの画家です。代表作である『印象・日の出』(1872年)は印象派の名前の由来になりました。私の好きなのは『散歩、日傘をさす女性』と『日傘の女性、モネ夫人と息子』です。

『散歩、日傘をさす女性』モネが1875年に描いた絵画
モネの『草上の昼食』
印象派クロード・モネの初期の代表作『草上の昼食』です。モスクワ・プーシキン美術館で鑑賞することができました。混同することは、マネの『草上の昼食』もあること。マネのものに刺激されてモネがマネたようです。戸外の風景の中に人物像を描くことは当時珍しかった。
『草上の昼食』モネ モスクワ・プーシキン美術館
マネの『草上の昼食』
ヌード姿の美女を囲む二人の男は服を身に着けています。セクハラ絵画。いつの時代も男性の欲望を描いているようです。なお、モネの『草上の昼食』はマネのものに感銘を受けて描かれた。
『草上のヌード美人』 マネ パリ・オルセー美術館
ルノワール
ピエール=オーギュスト・ルノワールは、フランスの印象派の画家です。後期から作風に変化が現れたことからポスト印象派とも言われます。
風景画や家族・親族・自画像・友人・画家・画商・裸婦など身近な人物を始め、パトロンや芸術愛好家、特定のモデルなど人物画が多い。風俗画や神話画、静物画なども手がけています。 彼女の妖艶なお尻に魅了されました。 モスクワ プーシキン美術館
ではルノワール絵画をYouTube映像で流します。これは静止画のコレクションですがルノワールの世界を十分に堪能できる傑作です。
出典 YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=l8c6L2S0izA)
ルノワールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』(1876年)はモンマルトルにあるダンスホール「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」での舞踏会を題材としています。画中の人物たちは、ルノワールの実在の友人たちで多くの名前は判明しているそうです。みんな幸福な笑顔で楽しそう。19世紀末、新型コロナ感染はなかった。
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「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」 ルノアール オルセー美術館
モネの絵画集(YouTube)
このモネ絵画集には1887年~最晩年までの作品が収録されています。モネの代表作であるジュヴェルニーの庭園の池に浮かぶ睡蓮。「積みわら」「ポプラ樹」「ルーアン大聖堂」などモネの世界を楽しめる絵画の傑作映像です。音楽は、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第 3 番ト長調です。
出典 YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=xoTe-ODo9n0)
ドビュッシーの音楽とモネ
これも素敵なドビュッシーの名曲付きのモネのYouTube絵画集。『サン・サラザール駅』からジヴェルニーの庭の作品を収めています。
ワインの盃を片手にして優雅な時間を過ごせます。赤ならばブルゴーニュのピノ・ノアール。白は好物のシャブリになりますね。ドビュッシーは重奏な暗い気持ちにさせるドイツ・クラッシック音楽と違い、お洒落で優雅な気持ちにさせてくれます。シャンペンも飲みたくなる。
モネの庭 睡蓮の池 ジヴェルニー まるで絵画のようだった。
モネの庭と睡蓮
1883年、40歳を超えたモネはセーヌ河沿いにあるジヴェルニーに住むことになります。モネの庭で有名なジヴェルニー。そこには睡蓮など水草のモネの池があります。浮世絵にヒントを得たという太鼓橋にルビー色した藤の花が咲く。『睡蓮の池』や『緑色の反映』。パリのオランジュリー美術館で観た大作『睡蓮の朝』はまるで日本の御殿襖絵ようでした。モネの庭に刺激されてカメの庭を夢見ています。
出典 YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=gemIJlFy7GY)
ドガ
エドガー・ドガ(1834年- 1917年9月27日)は、フランスの印象派の画家、彫刻家。線描を重視し、大胆で奇抜な構図や対象の瞬間を鋭く捉える優れた観察眼で、歴史画や肖像画、競馬、舞台、踊り子など都会的な題材を描きました。踊り子の実態は悲惨なもので金持ちの囲い者でした。

『踊り子』ドガ モスクワ プーシキン美術館
ポール・ゴーギャン
ポール・ゴーギャンは19世紀のポスト印象派の芸術家。画家、彫刻家、版画制作者、陶芸家と文筆家として多彩な才能を持っていました。タヒチ島のポリネシアンを多く描いています。
『アハ・オエ・フェイイ(妬いてるの)』 プーシキン美術館
ゴッホ
ファン・ゴッホ (1853年3月30日 - 1890年7月29日)は、オランダのポスト印象派の画家です。カーク・ダグラス主演のゴッホを描く映画はうまく出来ていました。南仏プロバンスの自然をゴッホ独特のタッチで描く。彼が晩年過ごした アルルのサン・レミ療養院を訪れました。金髪碧眼のゴッホ役を演じたカーク・ダグラスは名演技者でした。大好きなカーク・ダグラスの一族はロシア系ユダヤ人であることを知りました。今では息子のマイケル・ダグラスだけが超有名ですね。
ゴッホ自画像 アブダビ・ルーブル美術館0
映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』
2020年6月に封切りが予定される映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』(https://gaga.ne.jp/gogh/)を期待しています。監督はジュリアン・シュナーベルでゴッホ役はウィレム・デフォー。この映画は2020年アカデミー賞主演男優賞ノミネートされています。キャッチコピーは「ゴッホが見た世界が、あなたの魂を解放する、圧倒的感動体験」とある。楽しみです。ここでゴッホのコレクション825点を収録した画集動画を楽しみましょう。ピアノ演奏はベートーヴェンの名曲。
でゴッホ役はウィ出出出典 YouTube https://youtu.be/CVCg9KAi9wM
シャガール
マルク・シャガール(1887年7月7日 - 1985年3月28日)は、ロシア(ベラルーシ)出身のユダヤ系フランス人。ニースにあるシャガール美術館を訪れました。東欧ユダヤ人(アシュケナージ)の貧しい村祭り、民話など昔話を題材にしています。
題名不明 シャガール美術館
ミュシャ
アルフォンス・ミュシャ(1860年7月24日 -1939年7月14日)はアール・ヌーヴォーを代表する画家。多くのポスターやカレンダーを制作しました。絵画の代表作は20枚から成る連作『スラヴ叙事詩』があります。
同年代では妖艶な金粉女性を描く世紀末画家クリムトが有名です。
『四季』 「春」「夏」「秋」「冬」 ミュシャ クリムト
パブロ・ピカソ
パブロ・ピカソ (1881年10月25日 - 1973年4月8日)は、スペインのマラガに生まれてフランスで制作活動しました。生涯におよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵などの作品があります。名作『ゲルニカ』はまだ見ていません。スペイン・バルセロナにあるピカソ美術館を訪れたことがあります。そうだ、忘れていましたがサルバトーレ・ダリも奇怪な作品が多く面白い。
ピカソ モスクワ プーシキン美術館
マティス
マティス モスクワ プーシキン美術館
戦争には終わりがある
これは2020年4月20日、ニューヨークでコロナ感染現場で働く看護師の壮絶な声です。そのまま引用させてもらいました。
戦争には終わりがあります。第二次世界大戦も原爆で多くの命が失われ、戦争が終結しました。打撃も多くありましたが、平和な世界が訪れ、経済も立てなおりました。しかし、コロナとの戦いは終わりがありません。少しづつ感染者が減ったとしても、私たちがまた普通の生活に戻って、学校に行ったり、レストランに行ったり、コンサートで沢山の人が集まると、また、コロナの感染が戻ってきてしまうことが考えられます。もしかしたら、もう、私たちも前のような生活ができなくなるかも知れません。そして、私たちが予想もしていなかったくらい生活スタイルを変えることを強いられることになるかも知れません。
『日傘の女』(1886年) モネ パリ オルセー美術館
「右向き」と「左向き」が対になっている。有名なモネの妻「カミーユ・ドンシュー」と長男「ジャン」 をモデルにした日傘の女はワシントン・ナショナル・ギャラリーにあります。
セザンヌ
ポール・セザンヌ(1839年1月19日 - 1906年10月23日)はフランスの画家で仲間としてクロード・モネやルノワールなど印象派の人々がいます。エクス市でポール・セザンヌは1839年1月19日に誕生。私は南フランスの大学都市エクス・プロヴァンスに数回行きました。エクス市の隠遁時代に『サント・ヴィクトワール山』を数々描いています。2010年にワイン研修旅行と称しプロバンスを回り、サント・ヴィクトワールがよく見えました。セザンヌの伝記映画『セザンヌと過ごした時間』(2016年)はよくできた映画です。私が鑑賞できたのはエルミタージュ美術館にある『サント・ヴィクトワール山』でした。
(左)『サント・ヴィクトワール山』 サンクト・ペテルブルグ エルミタージュ美術館
(右)『道化』 モスクワ プーシキン美術館
アブダビ・ルーブル美術館
アラビア半島の東、ドバイの近くにあるアブダビにルーブル分館がオープンしました。何故こんなイスラム世界にルーブルなのか。オイル・マネーによるものです。ガラガラに空いています。名作を独り占めし写真撮影も自由。パリの混雑するルーブルに出かけるよりはアブダビのルーブルにしますかね。
ここでセザンヌの作品を名曲をバックに鑑賞しましょう。名曲はドビュッシーやショパンのピアノ曲など。
出典 YouTube(https://youtu.be/yNU4Jr790o8)
ダヴィッド
ジャック・ルイ・ダヴィッド(1748年8月30日 - 1825年12月29日)は、フランスの新古典主義の画家。18世紀後半から19世紀前半にかけて、フランス史の激動期に活躍。この絵は ナポレオン1世が1800年5月にグラン・サン・ベルナール峠経由でアルプスを越える姿を描いています。パリ・ルーヴル美術館では巨大な絵画『皇帝ナポレオン一世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式』(1805-1807年)を観ました。全長が10メートル近くもある作品は、ルーヴル美術館のなかでもっとも大きい。
(右)『皇帝ナポレオン一世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式』
ジム・ハムメル(Jim Hummel)
鎧を身に着けたサムライ姿です。右手に園芸用の小手を持っています。そして左手にテニスのラケットを握っています。下には花々と左下に富士山を描いています。私の大好きな趣味であるガーデニングやテニスをイメージしたのでしょう。髭つらの人相は武者の面構え、短足でがに股なのはいかにも日本人の典型的な姿。これがアメリカ人から見た斉藤孝のプロフィールなのでしょう。

カメのラスト・サムライ姿
インフォデミック(Infodemic)という情報感染症
パンデミックの話題でお騒がせしました。都会に人々が密集し、地球の隅々まで交通網が発達。人々が移動し交流しています。パンデミック感染拡大に最適な時代です。しかし、どうやらパンデミックよりもインフォデミック(Infodemic)という情報感染症との戦いも必要です。例えば、SNSなどでデジタル世界に拡散するフェイクニュース。緊急事態を煽りパニック的な買い占め、これを機会に封鎖社会を作りだす。インフォデミックによるものです。結論として悪いのは人類自身です。人類は様々なウイルスに感染してきました。気象変動を起こし、人類が地球のあらゆる場所へ進出し、野生動物とウイルスが調和していたところに侵入しその調和を壊しました。いかにウイルスと共存していくか。ウイルスは自分の一部という多様性を理解すべき。また人類は一丸となり地球環境を見つめなおすべきです。
ダラダラと駄文を綴りました。絵画は私が撮影したものですが、動画は全てYouTube投稿の作品を引用させてもらいました。オリジナル著者には心から感謝します。もしなにか著作権などで不都合があれば直ちに削除しますからご連絡下さい。
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